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WSC #061 もえのり [GLEMO] ちいさなサイズに山盛り状態の先鋭的造形表現 フィギュアの造形には、「自分が適切に処理できうるジャストサイズ」というものが必ずや誰にも存在する。絵を描く際に生じるジャストサイズはデッサン力と密接な関係にあるのだが、フィギュア造形の場合はデッサン力どうこう以上に、「造形時にしっくりと手に馴染む大きさ」「顔や髪の毛などのディテールを仕上げていく際に処理しやすい大きさ」というあたりで、自分に適する造形サイズというものが決まってくるところがある。 |
text by Masahiko ASANO |
もえのり●1986年3月26日生まれ。高校まではアニメやゲームなどにあまり興味がなかったのだが、大学へ入学してひとり暮らしをはじめたのち、PC系のゲームソフト(いわゆるエロゲー)にてオタク系趣味に開眼。'04年には「エロゲーキャラのフィギュアはガレージキットでしか発売されていない」という理由から、模型製作の経験がほとんどないままレジンキャストキットの製作へトライすることに。結果、塗装まで含め、思いのほか上手く完成させることができたおかげで一気にハマり、2ヵ月に1体ほどのペースでレジンキャストキットの美少女フィギュアを約1年にわたり製作し続ける。その後'05年に一般参加者としてワンフェスへ来場したところ、その熱気に当てられてディーラー参加することを決意。ワンフェスから帰宅した直後から初めての原型製作へ着手し、まずは手はじめに、'06年に名古屋で開催された『ワールドホビーフェスティバル』にて初のディーラー参加を果たす。ワンフェスへのディーラー参加は会場が幕張メッセに変更された'09年[夏]よりスタートさせ、'10年[夏]より“GLEMO”名義での参加となる。 |
Webサイト ■ http://glemo.net |
| WSC#061プレゼンテーション作品解説 |
フランドール・スカーレット from 同人弾幕系シューティングゲームソフト ■ 商品販売価格 ベースを含まぬフィギュア本体の全高はたかだか140mm。顔面パーツはわずか15mm四方程度しかありません。そんなカプセルトイサイズのちいさなフィギュア内に、繊細で先鋭的な表現を「これでもか!」と言わんばかりに多大に盛り込むのが“もえのり”流の造形スタイル。プレゼンテーション作品『フランドール・スカーレット』(同人弾幕系シューティングゲームソフト『東方紅魔郷 ~the Embodiment of Scarlet Devil.』に登場するエクストラボスキャラ)は、マカロンやドーナツといった洋菓子モチーフのディテールよりも、脚の絶妙なひねり具合やポージングのバランス、リズム感溢れる髪の毛のなびき方などに注目してほしい秀作です。プレゼンテーション写真は真正面からの1枚のみになりますが(この角度が決めポーズなので)、できれば実物をぐるぐるとまわし、360度さまざまな角度から眺めてみてください。眺める角度によってフィギュア全体の表情が大きく変化する、もえのりの空間構成能力の高さに必ずや驚くはずです。 |
| もえのりからのコメント |
皆さまこんにちは。もえのりと申します。こうしてご挨拶できますことを本当にうれしく思います。 |



