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WSC #074 sisiro [春愁堂] 「独特のデフォルメ」を改めるつもりは一切なし! sisiroの生み出す美少女フィギュアは、なんとも言葉にしづらい不思議な魅力に溢れている。シンプルに「上手い(巧い)!」「凄い!」と表現することができない点がじつにもどかしいのだが、本人が極めようとしている造形の方向性に一切迷いがなく、「デッサン力に基づく評価軸とは大きく異なる、こぢんまりとしたキャラクターフィギュアならではのカッチリとした完成度」を目指している(そして、それを成し遂げつつある)というところが非常にユニークであるわけだが、それを他者に説明しづらいところがじつに面倒臭いのだ。「この独特の魅力、わかる人にはわかるだろうけれど、わからない人にはいくら説明してもわからないだろうな……」というあきらめの境地に近いものがあったがゆえ、ここまでWSCの選出を見送ってきたのだが(2年ほど前から選出候補者ではあった)、ここに来ていよいよ「sisiro流の造形作風」が完成の領域に入った感があり、結果、このたびめでたく(?)WSC選出となった次第である。 |
text by Masahiko ASANO |
ししろ●1977年2月24日生まれ。小学2年生のときにガンプラブームの洗礼を受けた『プラモ狂四郎』世代。その後もガンプラとファミコンをはじめとしたゲームに夢中になり続けるが、将来的にプログラマーを目指すことに決めたため理系に進んだこともあり、高校入学以降は模型趣味を封印しゲーム趣味専門に。大学~大学院は情報工学科に進みWindows 95用のゲームソフト製作に興じるも、いくつかの挫折を経験し、模型趣味の世界へ出戻ることになる。その後、「フィギュア造形ならばやりたいことが表現できるのではないか」という考えに至り、結局大学院は中退。'00年夏のワンフェスより一般参加をはじめたところ、会場の空気感にあてられ、'05年夏より“春愁堂”名義にてディーラー参加を開始する。その後もコンスタントに参加を続け、'13年には原型製作を手がけた『魔女と百騎兵』のメタリカ&百騎兵がアートスピリッツから製品化されている。この先はフィギュアメーカーからの仕事をこなしつつも、ワンフェスなどのイベントメインでの活動をイメージしているそうだ。 |
Webサイト ■ http://www.shunshudo.com |
| WSC#074プレゼンテーション作品解説 |
ダンサー from ニンテンドー3DSソフト『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』 ■ 商品販売価格 個性的でおもしろさが強い反面、癖が強くて好く人を選ぶ、独特な顔のデフォルメがsisiro作品における最大の特徴。さらに、「そこまでこまかくパーツ分割する必要が本当にあるのか?」と疑問に思うほど、全高わずか114mmのフィギュアを85パーツ(!)にも分割する過剰なスタイルも彼ならではの個性と言えます(ある意味、「わざわざ組み立てる必要がない」というか、「未組み立て状態で保有することが正しい楽しみ方なのではないか」とまで思わせるものがあります)。 |
| ※sisiroからのコメント |
どうもはじめまして、今回『ワンダーショウケース』に選出していただきました春愁堂のsisiroと申します。ディーラー歴はもう9年ほどになりますから自分でもびっくりです。 |



